PowerCMS Conference 2025 開催レポート
2025年11月7日(金)に「PowerCMS Conference 2025」を開催しました。オンラインと現地のハイブリッド開催となり、お申し込みは、現地参加46名・オンライン参加149名・合計195名となりました。

開会のごあいさつ

アルファサード株式会社 代表取締役社長 森崎 賢太郎
2025年はアルファサードにとって大きな転換期となりました。
- 2025年6月:朝日新聞社の100%子会社化
- 2025年10月:朝日インタラクティブの受託開発事業を承継し、社員約60名に拡大
これにより「朝日新聞グループの技術中核会社」として、クラウド・インフラを含む事業基盤の強化が進みました。
パートナーシップとインフラ協業の拡大
今年はパートナー制度をさらに拡張し、インフラパートナーとして株式会社ディレクターズと提携。PowerCMS クラウドの安定性・運用基盤を強化する取り組みが紹介されました。
あのときの未来、これからの未来 - PowerCMS 7 リリース

アルファサード株式会社 執行役員 近藤 孝俊
PowerCMS 7 では、長年の課題だったレガシー領域の刷新と、現場で求められる実用的な機能改善が大きく進みました。
PowerCMS の状況
- 2021〜2025年にかけてクラウド売上 約200%、オンプレライセンス 約150%成長
- サポート件数 9,578件、満足度 97.5%
PowerCMS 7(2025/11/28正式リリース予定)
- TinyMCE v3 廃止、v4/v7 を選択可能
- レガシープラグインの提供終了
- 管理画面 UX 改善、GPT 対話モード付きサーチバー
- セキュリティ設定の統合(MFA・IP 制限・ロックアウト等)
- CDN 自動パージ、NG ワード検出、画像処理など運用面を強化
- 複数ルートの汎用ワークフロー
PowerCMS Conference 2025「あのときの未来、これからの未来 - PowerCMS 7 リリース」のリポート
当日資料
下記よりダウンロードしてください。
あのときの未来、これからの未来 - PowerCMS 7 リリース - (PDF)
PowerCMS X & 伝えるウェブ 最新情報

アルファサード株式会社 ソフトウェア2部 部長 正木 愉美
PowerCMS X は「高速・自由度・セキュア運用」という基盤に加えて、「AI×アクセシビリティ×メディア配信」を中心に独自に進化しています。
PowerCMS X の最新情報
- PowerCMS X ver 4.03 リリース(当日13時、セキュリティアップデート含む)
- 2025年5月 に PowerCMS X 4 リリース
- メディア連携(Yahoo! ニュース等へ配信、先着3社「メディアパック」無償提供)
- PowerCMS X 導入数がまもなく200に達する
- AIによる自動字幕生成「ジマクル」、動画の字幕もアクセシビリティの一環
- 「やさしい朝日新聞」を PowerCMS X で構築
- 多要素認証機能をそれほど遠くない未来に実装予定あり
伝えるウェブのご紹介
- ウェブサイトのやさしい日本語化(短文化・ふりがな付与・分かち書きなど)
- 自治体などで文章作成支援ツールとして活用
- 公式サイトで翻訳お試し機能を提供
- 導入数270超、自治体等へのご提案時にはぜひ伝えるウェブも一緒に
当日資料
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PowerCMS X & 伝えるウェブ 最新情報 (PDF)
PowerCMS パートナー制度について

アルファサード株式会社 ソフトウェア2部 佐藤 聖
制作会社・開発会社向けに展開している「PowerCMS パートナー制度」について説明がありました。
- 製品をパートナー限定価格で提供
- 非公開の技術資料・製品資料をダウンロード可能
- 管理画面を共有しながら相談できるオンラインサポート
- 提案・検証に利用できる製品ライセンスの提供
- パートナーロゴ・製品ロゴ(SVG 形式)の利用
PowerCMS 座談会

座談会には以下の登壇者が参加しました。
PowerCMS Royal Partner
- 株式会社キノトロープ 高橋 輝 氏
- 株式会社フォーク 関 智彦 氏
- 株式会社ワンゴジュウゴ 佐藤 達茂 氏
アルファサード株式会社
PowerCMS、PowerCMS Xの褒めたいところ
- PowerCMS、PowerCMS X の「安定性」「安心感」が高く、公開後のトラブルが少ない
- サポート対応が非常に早く、無茶振りにも対応してくれるという声が多い
- 静的出力によりセキュリティ・高速性が高く、WordPress からの移行で大幅改善した事例も紹介
- 小さく始めて大きく育てられる拡張性が高い(後からの機能追加がしやすい)
- 3環境構成(開発・ステージング・本番)が扱いやすく、安全に開発が進められる
- 価格のバランスが良く、他 CMS と比較して導入しやすいとの評価
- CDN・WAF・分離構成など、インフラ強化との相性が良い

改善要望
- ワークフローの柔軟性をもっと細かくしたいという声
- 管理画面の重さが課題となるケースもあり、サポートで解決した事例あり
今後期待される点
- 生成 AI のさらなる活用(要約、SEO、アクセシビリティ補助など)
- AI 検索に対応した構造化出力の強化
PowerCMS を安心して利用するためのインフラガイド

株式会社ディレクターズ シニアマネージャ 松井 歩 氏
インフラパートナーである株式会社ディレクターズ様より、PowerCMS / PowerCMS X を安全に運用するための重要ポイントが共有されました。
特に効果の大きいポイント
- Web / CMS サーバーの分離
- バックアップの多層化(日次・週次・月次)
- 静的化+CDN キャッシュで高速化
- WAF・IP 制限などのセキュリティ強化
サイト要件に応じて必要な要素を選べばよく、すべてを導入する必要はないと強調されました。SaaS が適したケースとセルフホストが向くケースの見極めについても話されました。
当日資料
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PowerCMSを安心して利用するためのインフラガイド (PDF)
進化を続ける PowerCMS X、その未来を語る

アルファサード株式会社 取締役(非常勤) 技術開発担当 野田 純生
野田 純生によるセッションでは、PowerCMS の未来に向けた技術戦略とアクセシビリティ強化の取り組みが語られました。
- 役員でありながら現場の技術担当として開発ににも携わる
- ChatGPT 活用で C言語・Java など未経験分野にも挑戦
- HyperEstraier・PDF 処理など低レイヤー技術へ踏み込む姿勢
- チャレンジングな技術開発を継続
- SaaS 運営で得た知見を製品へ反映する循環を強化
- AIによる自動字幕生成「ジマクル」や「伝える PDF」など新サービスを PowerCMS X ベースで開発
- PDF アクセシビリティの遅れに課題意識を持ち、自動タグ付けツールを開発
- AI は“利用者の負担軽減”ではなく“発信側の品質向上”に使うべきと語る
- 動画・PDF・やさしい日本語の 3分野を重点テーマに設定
- 「アクセシビリティを競争力にする」ことを中核戦略として掲げる
まとめ
野田 純生は、創業者としての立場にとどまらず、再び現場の技術へ深く関わりながら PowerCMS X の未来を切り開いていく姿勢を示しました。AI 活用による開発効率化、低レイヤー技術への挑戦、動画や PDF など多様なコンテンツのアクセシビリティ改善など、PowerCMS X の進化に向けた力強いメッセージでセッションは締めくくられました。
当日資料
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進化を続ける PowerCMS X、その未来を語る (PDF)
最後に
皆さまのご参加・ご協力のおかげで、実りあるカンファレンスとなりました。 ご登壇者・パートナー企業の皆さま、日頃より支えてくださるユーザーの皆さまに心より感謝申し上げます。
