PowerCMS X ブログ

2021-12-24

図で見る、 PowerCMS X 環境の構成要素

図: LAMP環境。内容は本文「サーバー環境の構成例」に記載。

はじめに

この記事では、 PowerCMS X の環境の基本的な構成要素について、図を添えてご紹介します。

他の CMS の環境構築経験がある方に向けて、一言で表すと、次のような説明です。
PowerCMS X は、 PHP プログラムで構成された、サーバーインストール型の CMS で、 LAMP環境で動作します。
サーバーとミドルウェアの用意については、 WordPress や Drupal など、 LAMP環境で動作する CMS と、基本的に同様です。流れが浮かぶ場合は、記事後半の「参考リンク (インストール関連)」から、具体的なインストール手順をご確認ください。

ここでは、インストール・設定などの具体的な手順の前に、おおまかな構成のイメージを持つことで、操作の見通しを立てます。

PowerCMS X について

PowerCMS(ぱわーしーえむえす)X(てん)」は、サーバーで利用するソフトウェアで、 CMS (コンテンツ管理システム) の一種です。

CMS (Contents Management System) は、ウェブサイトの制作・更新を行いやすくするための仕組みです。
文章や画像などのコンテンツを管理して、ウェブページを組み立てます。

バナー: PowerCMS X

ブラウザでの処理の流れ

ウェブサイトの管理について、まず、ブラウザでの処理の流れを確認します。
ページを作成・公開する場面を例にします。

ブラウザで利用する画面は、大きく分けると2種類あります。
どちらも、サーバーで管理します。

  • CMS 管理画面
    サイト管理者がコンテンツ管理 (作成、編集、保管、配信など) に利用します。
    ログインする必要があります。

  • ウェブサイト
    サイト利用者がアクセスします。
    誰でも見ることができます。

図にすると、次のようなイメージです。

図: ブラウザでの処理の流れ。内容は本文に記載。

ページを作る流れ (サイト管理者)

  1. サイト管理者が、ブラウザから、 CMS 管理画面の URL へアクセスします。 (リクエスト)
    URL の例: https://example.com/powercmsx/index.html
  2. CMS の管理画面が表示されます。 (レスポンス)
  3. 管理画面で、ページの内容を入力して公開の操作を行うと、ウェブサイトにページが作成されます。 (再構築)

ページを見る流れ (サイト利用者)

  1. サイト利用者が、ブラウザから、ウェブサイトの URL へアクセスします。 (リクエスト)
    URL の例: https://example.com/
  2. ウェブサイトが表示されます。 (レスポンス)

(ウェブサイトの URL は、管理画面の設定「サイトURL」で、指定できます。)

サーバー内の処理の流れ

次に、ページを作る流れについて、サーバー内の処理の観点で、あらためて確認します。

(コンテンツの制作・更新だけを行う場合、サーバー内部の処理は意識せずに、管理画面の操作だけで利用できます。しかし、主な構成要素を知っておくと、設定やバックアップなどに役立つため、記載します。)

コンテンツ管理の構成要素

コンテンツ管理に関する、サーバー内の構成要素は、大きく分けると3点あります。

  • アプリケーションディレクトリ
    CMS 本体のプログラムファイルを配置する、ディレクトリ (フォルダ) です。
    CMS の管理画面の表示や、 CMS 経由の処理に利用します。
    ディレクトリパスの例: /var/www/powercmsx

  • ウェブサイトディレクトリ
    ウェブサイト用のファイル (HTML や画像など) の、出力先とするディレクトリです。 (「ドキュメントルートディレクトリ」とも呼ばれます。)
    ウェブサイトの表示に利用します。
    ディレクトリパスの例: /var/www/html
    (ウェブサイトディレクトリのパスは、管理画面の設定「サイト・パス」で、指定できます。)

  • データベース
    コンテンツのデータを保管します。
    管理画面から入力した内容は、 CMS を通して、データベースへ保存されており、ファイルの作成に利用します。
    データベース名の例: powercmsx

図にすると、次のようなイメージです。

図: PowerCMS X 環境の構成。内容は本文に記載。

ページを作る流れ (サイト管理者)

  1. 管理画面へアクセスし、データ (作成するページの内容) を入力すると、アプリケーションディレクトリにある CMS で、処理が開始されます。
  2. CMS からデータベースへ接続し、データが保存されます。
  3. データベースから、ページの作成に必要なデータが取得されます。
  4. 取得されたデータを基に、 CMS で組み立てて、ウェブサイトディレクトリへ、ページ (HTML ファイル) がファイル出力されます。
    この処理を「再構築」と呼びます。

サーバー環境の構成例

最後に、 CMS を動作させるための基盤 (インフラ) を含めた、サーバー環境の構成について記載します。
(挙げている構成やバージョンは、サーバー一台のみの開発環境を想定した、一例です。)

PowerCMS X は、サーバーにインストールして使用するソフトウェアです。 CMS を使い始める前に、サーバーと、ミドルウェア (ウェブサーバー、データベース、アプリケーション) を用意する必要があります。

具体的には、 Linux、 Apache、 MySQL、 PHP という組み合わせで利用される場合が多いです。 (頭文字を取って、LAMP環境と呼ばれます。)

図にすると、次のようなイメージです。

図: LAMP環境。内容は本文に記載。
サーバー環境の構成要素
役割 種類 具体例
サーバー (仮想マシン) Amazon EC2 Amazon EC2 (インスタンスタイプ: t3.small)
サーバーOS Linux Amazon Linux AMI 2
ウェブサーバー Apache Apache 2.4
データベース MySQL MySQL 5.7
アプリケーション PHP PHP 7.4
CMS PowerCMS X PowerCMS X 3.01
ウェブサイト ディレクトリ ドキュメントルートディレクトリ (/var/www/html)

インストールの主な流れ

ご利用のサーバーによって、個別の手順は異なりますが、インストールの主な流れは共通のため、箇条書きします。具体的なインストールの操作やコマンドは、「参考リンク (インストール関連)」をご確認ください。

次の順で環境構築を行います。

  1. サーバー (Linux)
  2. ミドルウェア (Apache、 MySQL、 PHP)
  3. ソフトウェア (PowerCMS X)

PowerCMS X をインストールする、10のステップ

  1. サーバーを用意する
  2. Apache をインストールする
  3. MySQL をインストールする
  4. PHP をインストールする
  5. PowerCMS X 用のデータベースを作成する
  6. PowerCMS X パッケージ (PowerCMSX.zip) をダウンロードして解凍し、アプリケーションディレクトリへ配置する
  7. データベースの設定ファイル (db-config.php) で、データベース接続情報を指定する
  8. CMSの設定ファイル (config.json) で、必要に応じて環境変数を指定する
  9. ブラウザで、 PowerCMS X システムチェックのページへアクセスし、サーバーのシステム情報を確認する
    例: https://example.com/powercmsx/pt-check.php
  10. ブラウザで、管理画面へアクセスし、 PowerCMS X インストール画面から、初期設定を開始する
    例: https://example.com/powercmsx/index.php

参考リンク (インストール関連)

具体的な確認点

具体的なインストール手順

Amazon EC2 (AWS) へ、 PowerCMS X をインストールする場合

※2019年5月時点の記事です。
記事では、 Amazon マシンイメージ (AMI) は「Amazon Linux AMI」を選択していますが、その後、サポートが終了しています。
2021年12月時点、例えば「Amazon Linux 2 AMI」を選択できます。

ローカル環境へ、 PowerCMS X をインストールする場合

Docker を利用して、 PowerCMS X をインストールする場合

※2019年4月時点の記事です。
記事では、設定ファイルは「bin/webserver/Dockerfile」を利用していますが、その後、リポジトリの構成が変更されています。
2021年12月時点、例えば「bin/php8/Dockerfile」を利用できます。

PowerCMS X パッケージの入手方法

サーバーにインストールする、 PowerCMS X のファイル一式は、 ZIP 形式でご提供しています。 (PowerCMSX.zip)

ご購入の前に試したい場合、「評価版」を申し込む方法と、「開発者ライセンス」を申し込む方法があります。

評価版

1ヶ月間、評価目的で試用できます。
評価版をご希望の方は、お問い合わせフォームから、お問い合わせ種別「評価版のお申込み」を選択してお申し込みください。

開発者ライセンス

テーマ開発・プラグインの開発や動作検証などの際に利用できる、開発者向けの無料のライセンスです。
開発者ライセンスをご希望の方は、制限事項をご確認いただき、開発者登録フォームからお申し込みください。

関連記事: 開発者ライセンスを活用する

おわりに

PowerCMS X 環境の基本的な構成要素について、ブラウザでの処理・サーバー内の処理・インフラの面から、それぞれご紹介しました。
PowerCMS X を使い始めるとき、図によって構成のイメージを持ち、操作の見通しを立てやすくなりましたら幸いです。

設定方法や利用方法など、詳しくはオンラインドキュメントをご覧ください。

アドベントカレンダー企画「PowerCMS X Advent Calendar 2021」では、他にも基本的な説明や活用例などの記事があります。

PowerCMS X をインストールして、ぜひお試しください。

アルファサードでは、無料で試用できる評価版のご提供の他、オンラインでのお打ち合わせ、製品説明のご希望もお受けしております。
ご不明の点がございましたら、お問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

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カテゴリー:技術情報 | インストール

投稿者:kaida

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